最近スーパーで見かけるパック入りのシャキッとしたレタス。
「これ、工場で育てた野菜なんですよ」と聞いて驚いた方もいるかもしれません。
LEDの光と空調で管理された屋内環境で、虫にも病気にもほとんど縁がない。
しかも土を使わずに水で育てるから、地面に根ざさなくてもすくすく育つ。
それが“工場野菜”の世界です。
環境に優しく、いつでも安定して出荷できるこの仕組みは、まさに“現代の農業”。
都市部に近い場所で生産できるから、収穫から消費者の手に届くまでの時間も短縮されています。
そんな工場野菜は、農家の軽トラから市場に並ぶ…という昔ながらのルートとはちょっと違います。
多くは、工場野菜の生産者と契約した卸売業者を経由して、スーパーや飲食店、さらには病院や学校へと運ばれています。
しかも、ITを活用した需給管理で、必要な分だけを届けられるから、廃棄のリスクも少ない。
「もったいない」をなくす流通が、静かに広がっているんです。
工場野菜の卸売業者とは
「卸売業者」って、どこか中間業者的なイメージがあるかもしれません。
でも、工場野菜の世界では、彼らはただの“通り道”ではありません。
品質チェック、温度管理、配送スピードの確保。
ときには、飲食店向けにあらかじめカットしたり、メニューに合わせて品種を選んだりもします。
まさに“野菜のプロデューサー”。
最近では、工場野菜に特化した卸売会社も登場しています。
彼らの存在があるからこそ、飲食店の厨房にぴったりの状態で野菜が届き、私たちの食卓を彩ってくれるのです。
野菜の卸売業者が安く仕入れるために
「安く仕入れるって、やっぱり大量に買えばいいの？」
そんな単純な話ではありません。
工場野菜は生産量があらかじめコントロールされているから、長期契約で「どれだけ必要か」を明確に伝えることがコストダウンのカギになります。
さらに、複数の生産拠点と連携して仕入れ先を分散させれば、どこかでトラブルが起きても別のルートで補える。
安さと安定供給、その両方を求めるためには、情報収集と交渉力がものを言います。
仕入れとは、静かな駆け引きと信頼の積み重ね。
その背景には、見えない努力がぎっしり詰まっているんです。
物価高で野菜の卸売業者はどうしてる？
原材料や燃料の価格が上がる今、卸売業者たちも苦労が絶えません。
でも、そんな中でも彼らは“工夫の力”で乗り越えようとしています。
配送ルートの見直しや、複数の注文をまとめて配達する“共同配送”。
ちょっとした工夫で、トラック1台分のコストがぐんと抑えられることもあります。
さらに、在庫の無駄を減らすためにAIを使った需要予測に挑戦する企業も出てきました。
そして、売り先にあわせて「規格外野菜を使いませんか？」と新しい提案を持ちかけることも。
値上げが難しいからこそ、“アイデアで乗り越える”。
そんな姿勢が、今の卸売業界を支えています。
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